山本建設株式会社

SCROLL DOWN

BLOGブログ

ブログ

2017/07/10

断熱材

その建物に住み続ける限りずーっと必要な光熱費。

光熱費の中で1/3を占めるのが冷暖房費。(家電・給湯・冷暖房がほぼ1/3ずつ)

冷暖房費を少なくするために大切なのは建物の性能Ua値+パッシブ性能。

蓄熱や遮熱を大袈裟に訴える場面を見たことがあるが、それらはあくまでもUa値を確保してからの話、Ua値が心細いのをひっくり返してしまうほどのものではない、スタートはまずはUa値の確保。

Ua値の中身は壁・天井・基礎(床)の断熱材と窓、その物理的性能、それだけ、計算は面倒だが論理は単純。

今日は断熱材について

壁・天井に入れる断熱材は

繊維系(グラスウール・ロックウール・セルロースファイバ・羊毛等)

発砲プラスチック系(ポリ系・ウレタン系・現場発泡系・フェノール系)

どの断熱材でも良いが、性格が違うので施工方法が違うだけ。

グラスウールは水に弱いので使わない方が良い、といっている人もいるが、それは「グラスウールを適切に施工する技術が無いので使わない」と言っているのと同じ。

確かに30年ほど前、日本の建物に断熱材が入り始めたころグラスウールしかなく、的確な施工方法を知らないまま施工し雨漏れや結露でグラスウールが水浸しになっていた時代がある、グラウスール反対派はその当時と同じ施工能力なのか。

かといってグラスウールが一番優れていると言いたいわけではない。

繊維系が優れているのは費用対効果の安さと防火性能。

発泡系が優れているのは厚みに対する断熱性能と施工性。

繊維系は発泡系のほぼ半値(熱抵抗が同じ2.3R商品の場合、繊維系(グラスウール)1,859円/㎡、発泡系(フェノールフォーム)3,689円/㎡)。

防火性能は繊維系がガラスや石なので絶対に火が付くことは無い、発泡系は基本石油原料なので燃える、延焼遅延材等を混ぜて燃えづらくはしているが火元があれば燃える、先日のロンドンのアパートが実例。

ここで誤解しないでもらいたいのは、繊維系が火事にならないと言っているわけではない、断熱材自体は燃えなくても他に燃えるものがあるので火事になることはある、しかし繊維系は断熱材自体は燃え広がらないので消火の時間や最悪逃げる時間があり、命が助かる確率が高くなるということは事実だろう。

発泡系の強みは薄くても断熱性能を高くできる点。

繊維系の性能が上がってきたとはいえ繊維系(高性能グラスウール16K)の熱伝導率(数値が小さいほうが熱を通さない)は0.038W、発泡系(フェノールフォーム)の熱伝導率は0.019Wと倍の性能がある、繊維系の100㎜断熱材と発泡系の50㎜断熱材が同じ性能なのである、壁の厚みを厚く出来ない場合この差は大きい。

断熱材の良し悪しを訴えて他方を悪者にするのはナンセンス以外何物でもない、繊維系が水に弱いのは事実、発泡系が火に弱いのは事実、各断熱材の性格・性能を理解して施工することが何よりも大切。

結論を言うと断熱材は何を使っても良い、要はその断熱材を使って建物のUa値がどのくらいになるのかがまずはスタート、そこからすべては始まるのです。

長野県-北信・東信で自然エネルギー利用パッシブデザイン、W断熱-Q1.0省エネ・低燃費住宅の新築、リフォーム     山本建設株式会社

このページをシェアする:

アーカイブ

年月日を選択