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2015/07/03

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エネパスコラム第13回

今年4月から、新築戸建て住宅も「長野県建築物環境エネルギー性能検討制度」の義務対象になった。この機会に、県がこの制度を通して目指していることや、本来、消費者が住まい選びの際に知っておくべき、住まいの『燃費性能』と『健康性能』との関わりなどについて、シリーズでお届けする。

さて前回は、断熱性能とともに気密性能が大切であることを説明した。しかし、高気密住宅は息苦しいので、中気密くらいの方がよいというような誤解をしている方もなかにはいるようだ。これは、「風通し」、「漏気」、「換気」をごっちゃにしていることから生じる誤解だ。

まず「風通し」だが、これは窓を開けて風を通すことをいう。「風通し」のいい家の住み心地はもちろんいい。しかし、「風通し」には窓や壁の配置が重要なのであり、「気密性能」とは直接の関係はないのだ。

次に「漏気」だが、これは文字通り家の隙間から知らないうちに出入りしている空気の流れだ。気密性能を高めることで隙間が減り、「漏気」も減る。逆に気密性能が低いと、せっかく暖房しても図のように暖まった空気は軽いため家の上部から逃げてしまい、その分だけ下から冷気を吸い込んでしまい寒い環境になる。つまり「漏気」は少ないほど望ましいのだ。
気密の図_第13回
そして「換気」は、人間の呼吸などで汚れた空気を排出し、新鮮な空気を供給することを言う。気密性能を高めると、漏気による換気が減るため、計画的に換気を行う必要がある。ただし冷暖房の時期には、換気を行い過ぎるとせっかく冷暖房した空気を必要以上に排出することになるため、適切な換気量を確保することが重要だ。

東京大学の前真之准教授によると、気密性能が不十分だと、逆に換気が計画通りに行われずに換気量が不十分になる可能性があるという。計画換気では室内に空気の流れを計画的に作り、汚れた空気を効率的に排気するのだが、気密が不十分だと、排気装置の近くの隙間から空気が吸い込まれてそれが排気されてしまう。そのため、空気の流れが作れず排気口から離れた汚れた空気が滞留してしまうために、十分な換気ができなくなるのだという。

住まいづくりの際には、「気密」に関する誤解を解き、十分な「気密性能」の確保と、計画的な「換気」を考えたい。

長野県-北信・東信で自然エネルギー利用パッシブハウス、W断熱-Q1.0省エネ・低燃費住宅の新築、リフォーム     山本建設株式会社

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